ヤマト運輸は10月1日から宅急便の料金の値上げを行う。宅急便の料金値上げは27年振りで、背景には荷物数の大幅な増加による人手不足という理由がある。世間ではクロネコヤマトは宅急便料金の値上げ後に次のステップとしていつからか、再配達の有料化を行なうのではないかと言われている。
これに対してヤマト運輸の社長はNHKのインタビューに対して再配達をいつから有料化にするかは明言していない。むしろ「宅配ボックスの設置など、再配達の有料化より先にやる事がある」と宣言しているのだ。
但し、宅配業界にとって再配達の業務負担が大きい事は明らかで、ヤマト運輸は宅配ボックスを駅などに設置して再配達の削減を目指している。
そして社会では数年前からホームセンターなどでは個人用の宅配ボックスの需要が急増している。個人でも家に宅配ボックスを設置する人が増えているのだ。
このように社会が一体となって宅配業界の構造改革に挑む姿は美しい…が、僕はあえて問題提起をしたい。なぜならば個人用の宅配ボックスには危険が潜んでいるからだ。
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目次
ヤマト運輸の宅急便の方向性
クロネコヤマトの長尾社長は以前、NHKのインタビューに対して「再配達の有料化よりもその前にもっとやる事がある」と答えている。それは宅配ボックスの設置や最新テクノロジーの導入でドライバーの負担を削減していく方向だ。
“宅配危機” ヤマト運輸社長に聞く|NHK NEWS WEB
残業代の未払い分調査も終わり、着実に会社としての方向転換を図っていることが伺えるだろう。
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クロネコヤマトの宅急便料金の全面改定は27年振り
10月1日。宅急便の値上げをいたします。ご理解とご協力を、お願いいたします。|ヤマト運輸
ヤマト運輸は10月1日より宅急便料金の値上げを実行する。これにより荷姿サイズや地域によって異なるが荷物1個あたりで80円~180円程度の値上げとなる。
スキー宅急便やゴルフ宅急便などの料金も1ランクずつ上の料金に値上げをするので、これによって個あたりの単価は大幅に上昇することになるだろう。
今回のような宅急便料金の全面値上げは実に27年振りとのこと。ヤマト運輸は値上げに対して「社員の健全な労働環境を守るため」と明言しているが、労働基準監督署から勧告を受けて未払いの残業代が230億も見つかったというのが実情だ。。
寡占に近い状態の宅配業界では、ECサイトの台頭などで荷主の数が激増すると自由に値上げができるのだ。少し前のヤマト運輸と佐川急便の「荷物を巡る仁義なき戦い」を見ていた人にとっては違和感のある発言ではないだろうか?
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個人用の安価な宅配ボックスが大ブーム
このような宅急便をめぐる騒動に対して社会は敏感に反応を示している。数年前から少しずつ広まっていた「個人用の宅配ボックス」が大ブームになっているのを皆さんはご存じだろうか?
生活スタイルの変化によって共働きの家庭が増えたり、ECでの買い物の物量が増加することにより、再配達を頼むよりも宅配ボックスを好む家庭が増加している。ヤマト運輸の再配達の有料化が実現すれば、宅配ボックスの需要は今よりもっと高まるだろう。
現在、個人用の安価な宅配ボックスには様々な種類が存在する。例えば住宅設備メーカーの施工品は元より、ある分野の企業が得意な技術で宅配ボックス市場に参入している。
例えば物置みたいな宅配ボックスや布製の宅配ボックスなど、簡易的な物から本格的な物までと多岐に渡るのだ。現在、ブームになっている宅配ボックスにはどんなものがあるのかを少し見てみよう。
物置やポストみたいな宅配ボックス
これはポストや物置と同じような塗装されたスチール製の宅配ボックスだ。2Lペットボトル6本入りの箱が2個入るように設計されていて、配送員が荷物を入れた後でボタンを押すことにより鍵がかかる。
後は帰宅後にマスターキーで鍵を開けて取り出せば良いという宅配ボックスだ。ちなみにこの宅配ボックスはAmazonの「宅配ボックス特集」で猛烈にプッシュされている。
コスパ重視の宅配ボックス
こちらはポリエステル製のコスパ重視の宅配ボックス。何よりも値段が安く3,980円という低価格で宅配ボックスを買うことができる。布製なので使わない時は折り畳んで収納できるところも人気のポイントなのだろう。
防犯対策としては本体をワイヤーで固定したり、南京錠を使うと言うのがこのタイプの特徴になる。ちなみにこの商品は相当売れているようで、アマゾンではベストセラーのマークがついていた。
2ボックスタイプの宅配ボックス
こちらは収納場所が2つあるタイプの宅配ボックスだ。上段と下段に扉が分かれているので、複数の宅急便の受け取りが可能になる。防犯対策は扉の鍵とワイヤーになっている。
この商品の特徴としては「宅配BOX」と大きく書かれたマグネットが付属していることだろう。メーカーが行なった実証実験では宅配ボックスに気づかない配送業者が3割近くいたそうで、その対策としてマグネットを付属している。
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個人用の宅配ボックスに潜む危険
今回、紹介した個人用の宅配ボックスは高くても20,000円程度で買える、買いやすい価格帯の宅配ボックスだ。おそらくヤマト運輸や他の宅急便会社が再配達の値上げを実行する際にはこの価格帯の商品の需要が更に高まることだろう。
なぜならば施工が必要な宅配ボックスの価格は高く5万円+設置料くらいになるので、普通に考えてもその金額を払える人は多くないからだ。(僕も宅配ボックスに5万円は出せない)
しかし、安価な宅配ボックスには重大な弱点がある。それはこうだ。
弱点:「宅配ボックスごと盗むことができる」
コンクリートにアンカーボルトで打ち込んでいない限り、宅配ボックスごと盗むことは可能だ。ワイヤーなどでどこかにくくりつける防犯対策は行なわれているが、各商品ともあくまでも建前的な側面が強いだろう。
そしてこの事実を利用して下記のような社会問題が起きる可能性がある。
予想:「組織的に宅配ボックスを狙う輩が現れる」
以前に書いたアイコスの転売屋の行動を思い出してみよう。彼らはアイコスの納品トラックの稼働日をどこからか聞き出して、トラックの後をつける。そしてコンビニに納品されたと同時に買い占めてしまうのだ。
アイコスの転売屋に関する記事は僕の友人のオカちゃんが転売屋と戦った話を読んでもらいたい。
社会のシステムに弱点が存在すれば、その弱点に付け込む連中が必ず現れる。宅配ボックスは配送員に見つけてもらわないと意味がないので隠すこともできないだろう。
ヤマトの再配達の有料化⇒個人用の宅配ボックスの普及という図式には、盗難のリスクが潜んでいると警鐘を鳴らしたい。
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あとがき
少し前であればヤマト運輸に限らず、宅配業者は取り扱い荷物量を増やすことを最大の目標としていた。その競争が時間指定のような優れたサービスを生み出す要因になっていたのだろう。
しかし今は社会も変化して配送員の確保も難しい状況と言われている。現状、ヤマト運輸では再配達の有料化について明言を避けている状態だが、駅に設置された宅配ボックスについてはあまり効果がないというテストを他の期間が行ない明らかにした。
となると、ドライバーの負担軽減の為には個人用の宅配ボックスの設置が急務だ。再配達にはCO2削減という社会全体が抱える課題もある。その為、政府から宅配ボックス設置に補助金が出る日も近いかもしれない。
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