海外旅行時に必ず加入しておきたい海外旅行保険は、費用は掛かるが病気や事故・怪我や盗難といったリスクが金銭で補償されるというメリットがある。
しかし一方で海外旅行保険の補償金額は請求方法を知らない損をするというデメリット的な側面も存在する。海外旅行保険加入時には補償内容と請求方法を確実に理解する必要があると言えるだろう。
僕はドイツで盗難に遭い、日本に帰国して海外旅行保険の請求手続きしている間に意外な発見があった。今回の記事のキーワードは「補償金額を下げない請求方法」だ。
実際の海外旅行保険の請求手続きの流れと僕が気付いた海外旅行保険の請求時の注意点について解説しよう。
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目次
僕が加入していた海外旅行保険の概要
それでは僕が加入していた海外旅行保険の詳細を解説しよう。某大手損保会社の海外旅行保険で補償額のスペックは下記の通りになっている。ちなみに今回は仕事での渡欧だったため会社経由での加入だった。
<海外旅行保険の補償金額>
傷害死亡・後遺:400万円
治療費用:500万円
疾病死亡:400万円
賠償責任:5,000万円
携行品:40万円
救援者費用:300万円
読者の皆さんはこの補償金額をみてどう感じるだろうか?おそらく十分事足りるとは思うけど、自分の保有するクレジットカード、SPGアメックスに付帯している海外旅行保険などを見ていると少し物足りない気がする。
ちなみに上記の表は僕が保有しているSPGアメックスというクレジットカードの補償内容だ。通常、ゴールドカードに付帯している海外旅行保険だと死亡で5,000万円とか1億円という補償金額が出てくるのだが、会社にとって僕の命の相場は400万円となっている…これが現実だろう。涙
とはいえ、実際に盗難に遭ってしまったので、海外旅行保険をかけてくれた会社にはとても感謝している。今回僕が請求することになったの携行品損害となった。
海外旅行保険の補償金額が充実のSPGアメックス
僕が会社で加入できる海外旅行保険より充実した補償内容を持つSPGアメックスというクレジットカード。SPGアメックスは保有するだけでホテルの上級会員になれる優れたクレジットカードだが、補償関連の充実度合いもさすがと言ったところだ。
SPGアメックスについてはSPGアメックス(AMEX)、クレジットカードの友達紹介制度で高級ホテルの上級会員になる裏技という記事で紹介している。お得な入会方法についても解説しているので興味があれば読んでほしい。
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保険会社に海外旅行保険の補償金請求時に必要なもの
保険会社に海外で盗難に遭った旨を伝えると郵送で保険金請求書などの書類一式が送られてくる。送られてきた書類以外にもこちらで準備しないといけないものが幾つかあった。
僕が保険金請求のために保険会社に提出した資料の一覧は下記のようになった。
・保険金請求書(保険会社指定)
・出入国確認資料(パスポート、Eチケットなど)
・警察届出証明書(原本)
・パスポート再発行領収書(盗難に遭ったため)
・旅券再発行に伴う自己負担額申請書
・損害品申告書(5万円以上と以下の2枚)
・被害品購入証明
上記の提出書類の中で上の3つは特に問題なく用意できるだろう。盗難に遭った時は必ず警察で証明書を発行してもらうように気を付けてほしい。感覚的には盗難金額が高くなればなるほど、警察への届け出があるかどうかが保険会社との交渉で大事になるだろう。
次の項からは赤字の部分について詳しく解説していきたい。
パスポート再発行費用は海外旅行保険の補償対象になる
僕は海外で鞄を盗難されてパスポートを失った。海外旅行でパスポートを失った場合、再発行費用が海外旅行保険の補償金額の対象となる。
保険会社に補償金額を請求するために必要なのが、パスポート再発行の領収書なのだ。パスポートの再発行費用が補償されると知らない人も多いと思うので、決して領収書は捨てずに大事に保管しておこう。
僕が海外旅行時にパスポートの盗難に遭った体験談は海外旅行でパスポートの盗難事件!保険会社の補償と申請から再発行までに僕が失った大切なものとは?を読んでほしい。
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海外旅行保険の意外なメリット:諸費用まで補償金額が適用される
更に盲点だったのはパスポート再発行時にかかる諸費用も、海外旅行保険の補償の対象になるということだ。ここで言う諸費用とは領事館納付費用・交通費・宿泊費が該当する。
領事館納付費用はパスポート再発行の領収書のことを指す。交通費・宿泊費は名前の通りだ。ここで皆さんに僕が声を大にして伝えたいことがある、パスポートの盗難に合った時は遠慮なく下記の通りに行動してほしい。
タクシーに乗って領事館に行こう
もしくは
領事館(大使館)の近くのホテルに泊まろう
これらは全て海外旅行保険の補償の適用範囲内になる。高い保険金やクレジットカードの年会費を支払っているからこその海外旅行保険のメリットだ。補償金額の一部として支払われると考えてよいで遠慮は禁、注意点は領収書を必ず保管しておくことだ。
実際に経験すれば解るが盗難にあった時の手間や精神的苦痛は非常に大きい。万が一の時の海外旅行保険だからこそ、補償内容を確実に理解しておく必要がある。保険会社によって規定の違いがあるかもしれないので、問い合わせて確認を取ることをお勧めする。
盗難に遭ったら海外旅行保険に全て請求すること
損害品申告書(保険会社指定)と被害品購入証明は盗難に遭った品物の補償金を請求するための書類となる。申告書は僕の加入していた海外旅行保険の場合は5万円を超える場合とそれ以下の2枚に分かれていた。おそらく審査基準が異なるのだと思う。
盗難された品物の請求方法のコツとしては、とりあえず全部書くことが挙げられる。警察の届出証明に記入されていないとか、購入時の領収書が用意できない等の理由で補償金額を諦める必要はない。なぜならば…
僕の申請は全て認められたからだ。
中には警察の書類に記入されていない物や購入証明が出せない物もあったが、販売サイトの画面のコピーや〇年〇月に購入と記入することで全て認められたので問題ない。具体的に言うとパスポートケースやiphoneの充電ケーブルなどがそうだった。
僕の実体験から言えることは補償金の請求時にはまず領収書を確保すること、そして領収書や購入証明が無くても補償金の請求を諦めないでほしいということだ。
ちなみに何年も使ったから…と、気を使う必要もない。保険会社は規定の耐用年数に応じて容赦なく補償金額を減額してくるのだから。
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補償金額を下げない請求方法の注意点
ここまであまり知られていないであろう、海外旅行保険の補償の範囲や請求方法について解説してきた。意外な費用が補償金の範囲であるという事と、領収書がなくても請求できるという事を伝えたかったのだがもうひとつ重要な注意点がある。
ここで間違えると補償金額が下がるどころか補償されない可能性もあるので注意が必要になる。それはこういう事だ。
「置き引きは補償の対象外になる場合がある」
僕は日本に帰ってから海外旅行保険の補償申請をしようと保険会社に電話を入れた。するとオペレーターはこんな風に聞いてくる。
「お店は混んでいましたか?」
「お荷物は手元にありましたか?」
「お荷物から遠く離れていませんでしたか?」
僕は否定し続けたが結構しつこく聞いてくるのだ。これは僕の推測に過ぎないが置き引きの可能性がないかを確認している。海外旅行保険では例え盗まれたのであっても置き引きは補償金の対象外の可能性があるということに注意してほしい。
特に盗難に遭った時の記憶はパニックになって曖昧な事が多いので、間違えて「荷物を置いて離れていました」なんて言った日には目も当てられない。嘘をついてはいけないが、保険会社に誤解されないように伝えることが肝心となるだろう。
実際に損保ジャパンのサイトにはこのような記述がある。
保険金をお支払いできない主なケース
故意または重大な過失
戦争、その他の変乱*1、核燃料物質等
無資格運転、酒気を帯びた状態での運転または麻薬などにより正常な運転ができないおそれがある状態での運転
持ち物の欠陥、または自然の消耗、性質によるさび・変色、機能に支障をきたさない外観の損害
置き忘れまたは紛失
偶然な事故に直接起因しない電気的事故または機械的事故
国等の公権力の行使*2
携行品損害 | 補償内容 | 新・海外旅行保険【off!(オフ)】 | 損保ジャパン日本興亜
補償金額を支払うかどうか決めるのは保険会社のさじ加減なので、置き引きと判断されると上記の赤字の部分が論点になる可能性が高いだろう。
海外旅行保険の航空機遅延補償
海外旅行保険には飛行機が遅れた場合に食事代を補償する項目もある。これは航空機遅延補償と呼ばれるものだ。今回の海外旅行保険には含まれていなかったが、先に紹介したSPGアメックスだと4時間以上の遅延で2万円分の食事代が補償金として支払われる。
航空機遅延保障についてはJAL国際線の航空機遅延の補償対応の体験談を読んでほしい。JALの対応や補償についても触れている。
www.hanayao.xyz
まとめ:海外旅行保険の補償範囲と請求方法への理解
海外旅行保険は万が一の時の補償の為に、絶対に加入しておくべきだと僕は考えている。費用が掛かるというデメリットはあるが、その際に得られるメリットは盗難や紛失という精神的、肉体的な苦痛を少しだけ和らげてくれるのは自分自身で体験済だ。
「備えあれば患いなし」という言葉を体現するためにも、海外旅行保険の正しい補償範囲と請求方法は理解しておくべきだろう。読者の皆さんが海外旅行時に僕のような盗難被害合わないことを第一に願いながら、何かの参考になればと思い筆を執った次第だ。
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