てるみくらぶが倒産してから連鎖倒産が止まらない。グループ会社の(株)自由自在とグループの持ち株会社のてるみくらぶホールディングスの2社の倒産は必然だが、ついに外部の広告代理店の(株)デナリ・エージェンシーが破産したようだ。
負債総額は公表されていないが27年9月期で「てるみくらぶ」の未払費用に1,000万程度の計上があったようで、ひたすら現金をかき集める為と言われても仕方ない新聞広告を始めていた時と関連がありそうだ。個人的には「てるみくらぶ」の倒産が原因の取引先の連鎖倒産はまだ続く可能性があるのではないかと思っている。
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今回、初めて「てるみくらぶの関連会社」以外の連鎖倒産のニュースが出た。連鎖倒産の憂き目にあったのは(株)デナリ・エージェンシー、主な業務は広告代理店のようだ。この会社のウェブサイトを見てみると、「新聞広告を作成できる方求む」と書いてあったので、てるみくらぶの新聞広告を請け負っていたのかもしれない。
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僕の嫁さんはツアーを申し込んだ旅行会社が倒産した経験を持つ。その時の事についてまとめた記事はてるみくらぶの事業停止・倒産に思うを読んでほしい。
「てるみくらぶ」のここまでの経緯についてはこちらのブロガーさんの記事が非常に分かりやすくまとまっている。設立からここまでの経緯をまとめているので興味がある人は読んでみて欲しい。
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連鎖倒産とはなんだろうか?
どんなに経営が順調でも会社は倒産することがある。その理由の一つが取引先が倒産して売掛金が回収不能になり、予定していた現金が入ってこないケースだ。そのまま資金繰りがショートして連鎖倒産というパターンがおそらく今回のケースだろう。
連鎖倒産について、東京商工リサーチはこう定義づけている。
取引先の倒産で不良債権が発生した企業が、その影響で倒産すること。親会社に子会社が連鎖する場合や、大企業の倒産で下請けや取引先が全国規模で連鎖倒産したケースもある。
今日、会社が倒産した 16人の企業倒産ドキュメンタリー
連鎖倒産したのはどのような会社だろうか
下記の記事によると(株)デナリ・エージェンシーは「てるみくらぶ」との取引額が近年増えていたようだ。この会社の2015年の社員募集ページを見るとこう書いてあった。
当社では、旅行に行く際によく手にする 旅行パンフレット、カタログ、会員誌などのSPツールから 各メディアを利用した広告企画の提案を行っております。
社員数3人と少数精鋭の為、 1人ひとりの役割は大きいですが、 その分得られる経験も多いです!
分業制ではないため、企画・提案・制作・納品まで広告に関する ノウハウをすべてを吸収できます。
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※採用ページより
ここまで調べてみて解ったのは年商数億円、従業員は数名、設立23年の広告代理店という事だ。今は確認できなくなってしまったが、自社サイトには新聞広告のクリエイティブを作れる人材を募集していたような痕跡があった。
てるみくらぶの企業規模からいうといわゆる「下請け企業」と言っても差し障りないだろう。中小企業庁の統計によると平成28年の中小企業の倒産の約5%弱が連鎖倒産になっている。てるみくらぶの下請け企業は粉飾決算を行っていたことを知る由も無かったのだろう。
てるみくらぶの粉飾決算については粉飾決算を行なっていたてるみくらぶの倒産劇を読んで欲しい。
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中小企業の連鎖倒産防衛策を調べてみた
年商数億円の中小企業にとって1,000万円を超える売掛金が焦げ付くという事は死活問題である。これを防ぐ手立てはないだろうか?いい機会なので今回のケースに適用できそうな中小企業の連鎖倒産への防御策を探してみた。すると政府広報オンラインに経営セーフティ共済なるものが見つかった。
経営セーフティ共済の内容は月々の掛け金で最大8,000万円の貸し付けが無担保・無利子で受けられる共済制度である。現在40万社が加盟している書いてあるので、ざっくり国内の中小企業の約10%以上が加入しているということだろうか。
月々の掛け金は5,000円~20万円から選べて損金算入が可能で、ある一定期間以上、掛け金を納めて入れば任意解約でも掛け金が戻ってくるという制度だ。いざという時に銀行が助けてくれない世の中に、国としてこのようなバックアップがあることは非常にいい制度だと思う。
通常の倒産以外にも、取り込み詐欺とか計画倒産は昔から存在する。正直者がバカを見ないように自己防衛の必要性がある事を、てるみくらぶが粉飾していたというニュースを知って強く感じた。
僕が計画倒産の被害をこの目で見たお話は僕が体験した計画倒産のリアル、経営状態が良くても倒産する理由とはを読んでみて欲しい。
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今後の対策と展望について
海外旅行ではトラブルはつきものだ。今までトラブルに遭ったことが無い人は運が良かっただけだと思った方がいい。大なり小なりのトラブルに遭った時に自分で交渉や手続きができるように英語を勉強しておこう。それが個人ができる最低限のリスク回避に繋がるだろう。
手軽な英語の勉強法はてるみくらぶの倒産事例から海外旅行のトラブルに備えるに記載しておくので参考にして欲しい。
てるみくらぶ関連の連鎖倒産がこれからどうなるのかは僕には解らない。どこの業界にも言えることだと思うが、ネット環境の整備が進んで今より更に個人で行動を起こせる世の中になって行くとすれば、適応できないプレーヤー(企業)は順番に退場していくのだろう。
僕達のような個人の消費者はこれからますます情報と戦わなければならない。安く旅行をしたいのであれば航空券やホテルを自分で取るとか、旅行会社を挟まないセール情報を手に入れるような行動が必要かもしれない。
一方で資金に余裕があれば大手旅行代理店を利用するのもいいだろう。なぜならば大手企業は内部の監視ルートが整備されているはずだから、今回のように社長や一部の人間の一存で…という事態は起こりにくいはずだ。(例外もあるが…)
これからの社会で安全や安心な商品・サービスを買うためには、今までよりも資金を投入するか労働力を投入することが必要と思われる。
ロジ旅: ひとりでできる! 失敗しない海外旅行術
債権者集会の日程が決定
債権者集会の日程が11月6日午後2時からに決まったようだ。てるみくらぶの倒産ニュースはそろそろ沈静化しているが、債権者集会は破産者本人が出席するのがルールのはずなので、きっとまたニュースになることだろう。記者会見で山田千賀子社長が「このような結果を招くことは全く考えていなかった」と発言しているが、真意はどうだったのだろうか。
記者会見についての記事はてるみくらぶの社長の記者会見に物申すを読んで欲しい。
なぜ多くの人に迷惑をかける最悪の形になったのか、その時までに真相が究明される事を強く願う。
「てるみくらぶ」債権者集会、11月に開催 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)
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