詐欺容疑で逮捕されたてるみくらぶの社長(年収3,360万円)は被害者に返金するのだろうか?弁護士さんに聞いてみた

てるみくらぶ返金

格安旅行会社てるみくらぶの社長が銀行への詐欺容疑で逮捕された。てるみくらぶの倒産劇は負債総額200億円超、旅行客から集めた前払金の被害総額は99億円と言われている。

今回の逮捕は銀行相手の詐欺容疑で被害額は2億円×2回と報道されている。ついに警察が動いたが、山田社長からてるみくらぶの被害者への弁済(返金)が期待してよいのだろうか?

法律の素人の僕にはこの先が全く解らない。そこで日頃から親交のある弁護士の陸弁さん(@rickbenflyer)にこう質問してみた。

 

「てるみくらぶの社長から被害者への返金の可能性はありますか?」

 

僕の質問に対して法律の専門家はどのように答えたのだろうか?陸弁さんの許可を得て書くが、僕の頭で理解できた範囲で解説していこう。

 

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てるみくらぶは詐欺だったのか?倒産から逮捕までを振り返る

てるみくらぶは詐欺なのか

てるみくらぶが自己破産手続き開始、負債総額は約151億円、旅行者8~9万人に影響か | トラベルボイス

東京商工リサーチは2017年3月27日、てるみくらぶが東京地裁に自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けたと発表した。申請時の負債総額は約151億円。一般旅行者に対する債務は、約3万6000件に対して約100億円。旅行業者の倒産としては、リーマン・ショック後最大となる模様。27日午前に実施された会見によれば、影響を受ける旅行者は「最低でも8万~9万人に至る見通し」とされている。 

 

てるみくらぶの倒産により多くの旅行者が出発や帰国ができなくなったのは記憶に新しいだろう。なかには海外での結婚式の費用として150万円振り込んだと声をあげた人も存在した。

てるみくらぶの山田社長は倒産する数年前から経営が切迫している状況を認識して、意図的に「一括入金キャンペーン」で割引を行い運転資金を確保していたのではないかと報道されている。ニュースが事実ならこのキャンペーンが事態を悪化させたのだろう。

本来であれば旅行会社が破綻した時には弁済業務保証金という制度で、ある程度保証されるのだが、今回のケースは99億円といわれる被害額の1%程度、つまり1億円強しか保証されないようだ。

僕の嫁さんも昔、支払い済の旅行会社の倒産事件を経験していた。その時の記事はてるみくらぶの事業停止・倒産に思う~僕の嫁さんが体験した旅行会社の倒産事件を踏まえて~」を読んでほしい。

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債権者集会では謝罪も返金の説明は無し

債権者者集会

経営破綻の「てるみくらぶ」 債権者集会で批判相次ぐ | NHKニュース

会社は6日、都内で債権者集会を開き、破産管財人の弁護士によりますと、山田千賀子社長が、経営状態をよく見せようと粉飾決算を繰り返してしまい大変申し訳ないと謝罪したということです。

ただ、旅行代金の返金について具体的な説明はなかったということで、出席した債権者から会社側の対応を批判する声が相次ぎました。

 

2017年11月6日に行われた債券者集会では謝罪はあったが返金については触れられなかったという。そして債権者集会で山田社長はこのように謝罪をしたと報道されている。

 

「売上高を伸ばすために必死だった。わざとではない」

 

一括入金キャンペーンや平成26年9月期からの決算情報非開示など、段階を経て計画倒産に向かっていたようにも見える。さらに山田社長は粉飾決算を行い銀行を騙して融資を引き出していた。このことが明らかになり2017年11月8日に警視庁が山田社長と経理担当者を詐欺容疑で逮捕されたのだ。

てるみくらぶの倒産が計画的ではないかと感じた時に思い出したことがある。それは僕が経験した知り合いの会社が遭遇した詐欺事件だ。世の中には日々、このような事が起きている。

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山田社長が詐欺容疑で逮捕される

 

東京新聞:てるみくらぶ社長逮捕 融資金2億円詐取疑い:社会(TOKYO Web)

経営破綻した格安旅行会社「てるみくらぶ」(東京都渋谷区)が、メインバンクだった三井住友銀行に虚偽の決算書を提出し約二億円の融資金をだまし取ったとして、警視庁は八日、詐欺などの疑いで、てるみくらぶ社長の山田千賀子(67)=東京都町田市南成瀬一、元経理担当社員、笹井利幸(36)=埼玉県春日部市粕壁東六=の両容疑者を逮捕した。

山田社長が逮捕されて僕の頭をよぎったのは被害者への弁済は前進するのか?ということだ。なぜなら今回、警察が逮捕した理由は「銀行への詐欺容疑」に他ならない。どのメディアのニュースを見ても旅行客を騙したとは書かれていないからだ。

 

 

この事実に気づいた時、僕の背筋に冷たいものが走った。もしかしたら…

 

これは計画倒産シナリオの一部なのだろうか?

 

数年間かけて私服を肥やしてから会社を計画的に倒産させる。そのXデーを迎えた後は自身の社会的信用と引き換えに悠々自適な老後を送るという究極のシナリオが頭に浮かんだ。

この先、どのような展開が待ち受けているのかは僕には検討もつかない。山田社長の逮捕はてるみくらぶの被害者への返金のきっかけになるのか?それとも…どうなるのだろうか?

そうだ、そんな時こそ頼りになるあの人に聞いてみよう!!

 

教えてください、陸弁さん~!!

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教えて陸弁さん!個人の債権者への返金はあり得るの?

陸マイラー弁護士

陸弁さんは業界筋では有名な実力派の弁護士さんだ。名前の由来は陸マイラーで弁護士だから「陸弁さん」だ。突然連絡した僕に嫌な素振り一つ見せずに陸弁さんは答えてくれた。すごく丁寧に専門用語の説明も交えてくれたのだけど、僕の頭で100%理解できるほど法律は甘くなかった。だからこの記事には要点だけを書こうと思う。

ちなみに陸弁さんはもにもにたさん(id:monimonita333)のブログで、過去に置換冤罪についてアドバイスをしている。

monimonita333.hatenablog.com

 

被害者個人への弁済が難しい理由

弁済が難しい理由

逮捕された山田社長ら2名に被害者の弁済を求めるためには「不法行為に基づく損害賠償請求」を行う必要がある。つまり「あなたの故意 or 過失で被害を被った」という事実を立証しなければならない。

先にも述べたが今回の逮捕は「銀行を欺いた」という容疑になっている。つまり旅行者(顧客)を欺いたという容疑ではない。被害者が「銀行を騙したから私が被害を受けた」と言っても「風が吹いたから桶屋が儲かった」という状態にしかならないということだ。つまり今回の逮捕容疑では被害者が損害賠償請求をする要件を満たしていないということになる。

ただし、陸弁さんは全く可能性が無いわけではなと続けた。社会的に影響が大きく、刑事事件となっているのがポイントだという。検察が本気で動いて刑事裁判まで持っていければ被害者が刑事記録を閲覧できるようになる。

刑事記録に資金繰りが厳しいと認識した日付が記載されていれば、それ以降に契約した顧客に対する責任が追及できる可能性があるのではないかということだ。

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てるみくらぶ側が取るであろう戦略

てるみくらぶの戦略

しかし陸弁さんはこう続けた。詐欺のケースは「被害を弁済すること」が最優先される。今回の被害者は銀行で被害額は2億×2回の4億と言われている。長年、てるみくらぶの社長をやっていたのならば4億くらいの財産があっても不思議ではない。

現に倒産直前まで山田容疑者の年収は3,000万円を軽く超えていたと報道されている。

headlines.yahoo.co.jp

そして敵もさる物、おそらくてるみくらぶの山田社長の弁護士は銀行への弁済を最優先して不起訴に持ち込もうとする可能性が高いという。

これにより山田社長の私財は大幅に減少し、仮に被害者が損害賠償請求を成しえたとしても回収できる財産は小さいものとなる。また、不起訴になれば供述調書の謄写も難しくなるうえ、おそらくその内容も山田社長に有利な内容となっている可能性が高いので立証も難しくなるというわけだ。

僕はこの内容を聞いた時にゾッとした。もしも容疑者が何年も前からシナリオを作り、自転車操業で巨額の年収を得つつ、合法的に資産を親族に移したりしていたとしたら…何年も前からてるみくらぶの顧客や社員は壮大な詐欺シナリオの一部として役割を演じさせられてのかもしれない。

 

少しでも弁済の可能性はないの?

弁済の可能性

ここまで聞いて僕の足りない頭でも、てるみくらぶの山田社長が被害者に満額返金する可能性が限りなく低いことが解った。けれども少しだけ望みをかけてこう聞いてみた。

 

「もしも山田社長の故意か過失を立証できたらどうなりますか?」

 

これに対しても陸弁さんは丁寧に答えてくれた。山田社長が自らの意思で返金しない限り強制執行を裁判所に申し立てないといけない。しかし強制執行するためには差し押さえる財産を被害者から指定する必要がある。

しかし、資産家というものは抜かりなく対策しているはずだ。合法的に親族に財産を移動していた場合はお手上げになるということだ。当事者が違えば別人の扱いになる為、別人の財産を差し押さえることはできないという。

厳密にいうとそれでも追及する方法はないことはないが、今回のケースで機能するかは微妙なラインとのこと。僕の中のかすかな希望も音を立てて崩れていったのだった。

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てるみくらぶ事件のまとめ&記事についてのお断り

てるみくらぶのまとめ

この記事を書くにあたって陸弁さんにアドバイスをもらったが、全て僕の言葉に置き換えて書いている。これは陸弁さんの名誉のために断っておこう。何か間違った部分がある時は僕の誤解になる。

なんとなく山田社長から被害者への返金は難しいことは解っていたが、法律に照らし合わせて考えてみるとより具体的に解ったというのが僕の感想だ。

損害賠償請求がほぼ不可能な状況は偶然なのか?それとも何かの力が動いた必然なのか?山田社長が泣いているようで涙が見えない倒産記者会見を見てからずっと、僕はそう思っている。

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てるみくらぶのニュースを聞くたびに、僕はある思いが頭をよぎる。それはこういうことだ。

 

これは壮大なマネーゲームなのか?被害者は手のひらで踊らされていたのだろうか…?

 

今回の銀行への詐欺容疑での逮捕をきっかけに、てるみくらぶの倒産劇の真実が少しでも解明することを願いたい。

 

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