プロボクシングのWBA世界ミドル級王座決定12回戦で村田諒太選手が判定負けというのが試合結果を喫した。アナウンサーや現役世界王者の解説者が言うには「理解できない判定負け」とのこと。村田諒太選手はロンドンオリンピックで金メダルを取り、その後メディアにも多く登場した。その為、今回の王座決定戦は注目の的であり、ミドル級の世界王座を賭けた試合としては異例の日本開催となった。テレビを見ている人の多くが意外だったと思われる今回の試合結果、村田諒太選手の判定負けについて、僕がどうしても気になった事があったのでそれを書きたいと思う。
追記:2017年10月22日、村田選手がTKO勝ちで世界チャンピオンになりました!!
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追記:2017年10月22日に再戦が行われ村田選手が世界チャンピオンとなった。下記の記事で解説している。おめでとう!チャンピオン!!
【ボクシング試合結果速報】村田諒太がエンダムとの再戦に劇的勝利!雪辱を果たし世界チャンピオンに!! – JALマイルとANAマイルがいっぱいあったらいいのに…
村田諒太選手が判定負けを喫した相手はアッサム・エンダム選手(33・フランス)、素人目にも分かる軽快なフットワークとタイミングを外しながら切れ味の鋭いパンチが持ち味の選手だった。一方、村田諒太選手はガードを固めながらプレッシャーをかけて上下に打ち分けるオーソドックススタイル。最初の1,2回こそ、エンダム選手のスピードと手数に手こずったがその後のラウンドは手堅く戦った。
村田諒太 1―2判定負けで世界戴冠ならず ダウン奪うもエンダムに苦杯 (スポニチアネックス) – Yahoo!ニュース
判定は1ー2で村田諒太選手の敗北
村田諒太選手は4回にストレートでダウンを奪った。その後もダウン寸前のパンチやエンダムがロープやクリンチに救いを求めるシーンが続いた。僕は全てのラウンドを見ていたが、エンダムは村田諒太選手の固いディフェンスを崩そうと色々な攻撃を試みるが全て封殺される。10回くらいには戦意を喪失しかけているような表情を見せる有様だったのだ。それでもジャッジの判定は1-2で村田選手の敗北だった。プロボクシングは一体どのような判定基準なのだろうか?
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ボクシングの判定基準
判定基準については日本ボクシングコミッションのサイトで以下のように記述されている。
採点方法
リングサイドに座った3人のジャッジがラウンドごとに10点満点の減点法で優劣を採点しますが、試合が判定になった場合はこれを集計して ジャッジの2人以上が支持したボクサーが勝者となります。4回戦は40点満点、12回戦は120点満点です。
各ラウンドの採点はですが、互角の場合は10対10、一方が勝っている場合は10対9、一度のダウンやこれに近いグロッギー状態(パンチを受 けてふらふら)のときは10対8、2度のダウンやKO寸前の場合は10対7、3度のダウンは10-6となります。それ以上の差が開いた場合はレフェリーが試合を止めるの で、10対5という採点はありません。
また、10ポイント・マスト・システムというルールがありますが、これは勝っている方に必ず10点を付け、9対9、9対8などという採点はし ないということです。反則による減点は合計点から引きます。
各ラウンドの採点基準
採点基準は大きく分けて次の4項目があります。
① 有効なパンチによって、どちらが相手により深いダメージを与えたか。
② どちらが、より攻撃的だったか。ただし、有効なパンチを伴わない単なる前進は評価の対象となりません。
③ どちらがよりディフェンス技術を駆使して相手の攻撃を防いだか。ただし、これも攻撃に結びつかない単なる防御は評価の対象とはなりません。
④ リング・ジェネラルシップといって、どちらの試合態度が堂々としていて、戦術的に優れていたか。どちらが主導権を握っていたか。
上記を要約すると各ラウンドごとに10点満点で優劣をつけ、それは4つの要素で決めれれるということだ。その4つとはこういうことだろう。
・有効なクリーンヒット
・攻撃の積極性
・ディフェンス技術
・リングでの主導権
上記を踏まえてもトータルで村田諒太選手が勝っているように見えた、それも圧倒的に。リングサイドで解説をしていたWBC世界バンダム級王者の山中慎介選手は「判定が理解できません」とだけコメントしていた。おそらく現世界王者が公共の電波で言えるのはそれが限界だろう。
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不気味なエンダム選手の余裕
おそらく日本中が村田諒太選手の勝利を確信し始めていた11回頃、僕はなんだか嫌な気持ちになっていた。それは判定ならエンダム選手の負けは確実だろうという周りの見方の中で、エンダム選手は一向に前に出てこない。時々、ジャッジに見せるためだけのように当たらないパンチを繰り出しているように見えた。
そして最終12回、解説者かアナウンサーが「エンダムが攻めてくれれば、ノックアウトもありますよ!」と叫んだが、エンダム選手はのらりくらりとかわしながら当たればラッキー的なパンチを繰り出した。解説陣は勝ちを確信しているような言いっぷりだったけど僕は試合をみながらこう感じていた。
判定負けが確実なのに相手が出てこないのはおかしい。
通常ならば焦ったエンダム選手がなりふり構わず前に出てきて、村田選手がそれを交わすか応戦するか…となるはずだ。もしくはエンダム選手の心が折れているのか?彼は途中折れそうに見えたけど、11、12回は折れているようには見えなかった。
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そして不安は現実へと変わった
試合終了のゴングが鳴った時に僕が気づいたことがある。エンダム選手の老齢のセコンドが満面の笑みで彼を出迎えた。それも、まるで勝利を確信したみたいに…。
負けが確定していも強がって、喜んで見せるのはボクシングではよく見る光景だ。でもエンダム選手とそのセコンド(特にトレーナーらしき老人)の喜び方はそうは見えなかった。まるで勝利を信じているかのように。
そう、彼らは間違いなく勝利を確信していたのだ。
だから判定が2-1で村田諒太選手の負けが分かった時にエンダム陣営は特に驚くというよりも当然のように祝福しあっていたのだ。
気になる人は12回のゴングなった直後のエンダム陣営の余裕の笑顔を見てほしい。まるで「ノックアウトさえ、されなかったら大丈夫」と言わんばかりだ。彼らはおそらくゴングが鳴った瞬間に勝ったと確信できるソースを保有していたのだ。
プロボクサー 村田諒太フォトブック FIGHT
あとがき
ボクシングに限らずスポーツでは不可解な判定が起きるものだ。今回の試合の12回終了後、エンダム陣営がなぜ勝利を確信していたのかは僕には分からない。下衆な勘ぐりを入れてる人もいるが、ソースが出てくるまでは止めた方がよいと思う。
ひとつ言えるのはエンダム陣営はあの試合の判定ルールの解釈に絶対の自信を持っていたのだろう。いずれどこかに動画があがると思うので自分の直感を再確認しようと思う。
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同じ事考えてました。
ぴーじぇいさん
コメントありがとうございます。「手数」というのが理由の流れになりましたね。個人的にはモヤモヤしてます。ε-(´∀`; )