ミラノサローネとは世界的に影響力のある家具・インテリアの見本市だ。毎年4月上旬にミラノサローネはその名の通りイタリア・ミラノにてに開催される。2017年の会期はは4月4日~9日まで。世界の一流家具ブランドや注目のデザイナーがミラノサローネで新作を発表し、それを求めてバイヤーやレポートを書く記者、デザイナーの卵や僕みたいな一般人まで40万人近い人々が世界中から来場する。
日本からはnendoや吉岡徳仁といったミラノではかなり有名なデザイナーやPanasonicなどがサテライト会場に出展していた。
ミラノサローネはファッションのパリ・コレみたいな展示会だと思う。僕はデザイン家具や値段の高いブランドにはあまり興味のない人間だけど、せっかくなので素人目線でミラノサローネをレポートしてみよう。
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目次
ミラノサローネとは?家具のトレンドを発信する世界最大級の見本市
世界中のインテリア業界関係者がミラノに集結する見本市、それがミラノサローネだ。ヨーロッパだけでなくアメリカ・アジア・オセアニア・アフリカなどなど、世界中の国々から家具のサプライヤーやバイヤーがミラノサローネに訪れる。
ミラノサローネの会場ではソファもダイニングセットも100万円くらいの商品が当たり前のように並ぶ。僕にはこのような商品を買う人の顔は想像できなかった。
けれども華やかな会場には多様でヨーロッパ諸国をはじめとして、明らかに石油王みたいな恰好をしている人やカレーの国から来ている人、中国・韓国などの近隣諸国から、アフリカ大陸から来たとおぼしき人もいて共通していたのは皆、羽振りが良さそうに見えた。僕はもしかしたら40万人近くいる来場者の中で一番低所得の部類なのかもしれない。
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チケットはミラノサローネの公式サイトから購入可能
ミラノサローネのチケットはSalonedemobile.Milanoという公式サイトで購入することができる。自分の情報登録が必要でチケットは日数によって値段が変わる。基本的には前売りの方が安いのと、当日の会場受付はかなり混み合うので事前購入することを強くおすすめしたい。
ミラノサローネ会場のレポート
出展社数2,000社以上、来場者数においては全世界から約40万人弱と言われるミラノサローネの会場は大混雑だった。上の画像は初日の早い時間だが日目、3日目と会期が進むにつれて混雑はますます激しくなった。何が大変だったかというと会場がとてつもなく広い為、歩き疲れて休憩しようと思っても混雑の為に喫茶店やイートインコーナーは常に満席だったことだ。
来年のミラノサローネに行こうと思っている人はなるべく会期の早い段階で訪れる事をお勧めする。各社のブースに入る為の行列も全く同じで初日が一番待ち時間が少なかった。
また今回の会場のマップに振られた展示場の番号は「24」。ヨーロッパの家具の見本市としてはかなり多いと思う。但し、中国やアジアの展示会ならもっと大規模な見本市が存在するはずだ。
ミラノサローネが他の展示会と違うところはあまり同じ商品が並んでいないというところだと思う。どのブースも専属のデザイナーがデザインした家具を本気で展示している為、買い付けの側面だけでなく商品を世の中に発表する場という側面が強く出ているのだろう。
100%LiFE Books インテリア・デザインの最前線 ミラノ・サローネの世界スポンサーリンク
ミラノサローネは高級家具のディズニーランド
最初に会場に入った時に僕はこう思った。
「ここは高級家具のディズニーランドや!」
そう言っても間違いでないくらいにズラリと高級家具が並ぶ。あまり高級家具に詳しくない僕でも座ったソファが高級な事が解る。革の肌触り、綺麗に整えられたステッチ、高級家具のブースは全てがトータルコーディネートされていて完璧だった。ブース内に噴水があったり、カフェがあったりとそのブランドの独自の世界観を伝える為にありとあらゆる手段で表現されているのだ。
下の画像はランボルギーニとコラボしているイタリアの家具ブランド。イメージVTRでは映画俳優のようなイタリア男性が海辺で仕事と趣味をスタイリッシュにこなしていた。このブースはとても人気があって15分くらい並ばされて更に登録しなければ中に入ることが出来なかった。
こちらはヴェルサーチのブース。かなり列が長かったので今回は諦めたが、外から一部覗く事が出来たのでこんな世界観だったという事をお伝えしたい。こんな寝室で暮らす人はどんだけセレブなんだ!?と、心の中で突っ込みたくなるレベルだ。
トラサルディのブースも大人気。ここではこの写真を撮った後に「写真は禁止だよ!」と、めちゃめちゃ怒られた。悔しかったので後日、写真を撮ろうとしたが会期が進むに連れて厳しくなっている空気を読んで止めておいた。
他にはカール・ハンセンのブースではあのYチェアの座面を昔ながらの製法で職人が張り上げる実演会をやっていた。椅子を中央に置いて、職人がぐるぐる周りを周りながら座面を仕上げていく姿に来場者は脚を止めて人だかりが出来ていた。僕も撮影したが動画を撮っている人も多く、その前を横切る人がいようものならブーイングが飛ぶ、という光景だった。
ちなみにこの職人さん、よくみると左腕にYチェアのタトゥーが入っている。人生をYチェアに賭けて来た男…めちゃくちゃかっこいいじゃないか!
後日、ミラノの街でカール・ハンセンのショップを訪れた時に見かけたのだが、椅子を設置してグルグルと回せる機械が置いてあった。テニスのガット張りの機械のような形だった。現在は機械の発達で伝統的な張り方はしていないだろう。
この他にも紹介したい高級ブランドは山ほどあるのだが、写真禁止のブースも多くて思うように画像を準備できなかった。誰かに頼んで予めプレスのタグでも貰って置けば良かったのだけど、素人なのでご容赦願いたい。
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ミラノサローネの見所は特色のあるデザイン家具
ここでは僕が気になったデザインの家具を紹介しよう。残念ながらメーカー名を控えるのを忘れたものが多いので画像だけの紹介になってしまう。ミラノサローネの会場を一日中歩くのは体力的にかなりきつかった事を付け加えておく。
こちらはまるで「アナと雪の女王」をイメージしたような椅子。一発で成型された樹脂素材かと思ったら一本一本が独立していた。だからこの立体感がでるのだろう。どういう風に作られたか非常に気になる。
今回、僕が一番気に入ったのがこちらのキャビネット。銅板の扉に異なる仕上げを施して立体感を出している。値段が幾らするのかを聞き忘れたのが一番心残りな逸品だ。いずれにしても買える価格ではないと思うが…。
このキャビネットにはシリーズが存在して、オーソドックスなタイプも展示してあった。いずれにしても家に有っても怖くて使えない贅沢な逸品だ。どちらも脚の細さがイタリアンを感じさせる。
こちらは日本でも最近流行っている1枚板のテーブルだが、欠けている部分を樹脂のような物?で埋めて自然の風合いを存分に活かした仕上げになっている。1枚板のテーブルは2つ同じものが存在しないので、それ自体が無垢の味わいを表現しているがこれは更に一歩進んだ無垢の表現技法だと感じた。
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ミラノサローネ来場者の特色をレポート
ミラノサローネの会場には世界中から様々な人々が集まる。多種多様なので「特色」とひとくくりに出来ないのではあるが共通点はある。それは多くの人々の身なりがお洒落で、生活レベルの高さを感じさせることだ。
そして高級ブランド家具の受付にはかなりハイレベルな美女が並ぶ。画像はPoliform(ポリフォルム)というミラノ発の高級家具ブランドの受付だが、どの女性もかなりハイレベルな美しさだった。
美しいのは女性だけではない。下の画像は奇抜な形のソファだが、寛いで座っているイタリアンガイを見て欲しい。この男性がソファに座っている姿があまりにもサマになっているので、こっそり写真を撮ってしまった。日本人でこんな座り方をしている人がいたら、僕は多分嫌なヤツだとしか思わないがイタリアンガイには完敗を認めるしかない…
こんな風に家具のデザインだけでなく、そこに集まる人々にも特色があるのがミラノサローネだった。
ミラノの街がお祭り騒ぎになっている
ミラノサローネの期間中、ミラノの街はお祭り騒ぎになっている。本会場に合わせてサテライト会場が用意され、雑居ビルの一室で展示会が行なわれていたりするのだ。そのような会場はたくさん有り過ぎて、全部周るのは僕には不可能だったが気になった展示を紹介しよう。
ミラノの街のシンボル「スフォルツェスコ城」の向かいでは日本発のデザインオフィス「nendo」が展示を行っていた。多い時で300人以上の人が並ぶとう大盛況ぶりで、僕も1時間くらいは並んで入る事ができた。
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ご、ごめんなさい。僕には良さがイマイチ解らなかった。でもあれだけの人が並んでまで入ろうとするのでnendoは日本国内よりもミラノで圧倒的な支持を受けているということは解ったつもりだ。
その他にも街にはたくさんの展示があった。こちらは中学生くらいの少年が、使用済みのライフジャケットで難民の為に作ったテントの展示があったりした。開発秘話には「僕らはみんな地球人だ」みたいな事が書いてあって人々の注目を集めていた。
こちらは吉岡徳仁さんの個展、モンテナポレオーネ通りから一本入った所で開かれていた。ミラノサローネの本会場でもこの商品をどこかのブースで見かけたが、すごい人気だった。
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ミラノサローネ裏側レポート:期間中はホテルがバカ高い
今回のミラノサローネの会期中、僕は会場から1時間程の場所にホテルを取った。部屋は広かったけど設備はイマイチだったが、1泊の料金は日本円で3万円超だった。中心部のいいホテルになると1泊10万円とかする値段になるそうだ。このエピソードだけでも如何にミラノサローネが世界で注目されている見本市なのかがお分かりになるだろう。
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あとがき
「イタリア人のインテリアに対する欲望は半端じゃない」、僕はミラノサローネを訪れて素直にそう思った。実際に生活にそんな贅沢品が必要かどうかは置いておいて、コストダウンを念頭に置かないデザインやモノ作りというのはここまで出来るという事を学んだ。彼らの家具に妥協しない姿はとても素敵に見えた。
少し悲しかったのは、自分の身の丈を超え過ぎている為に自分が使用している姿を、僕はミラノサローネの会場で想像することが出来なかった。だから僕みたいな「THE 平民」ではなくて、デザインやインテリアに心から興味のある人に訪問して欲しいと感じた。
何故なら、僕が今まで見て来た中で
ミラノサローネは1番素敵な家具見本市だったからだ。
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はにゃおさん、滞在中のツイート本当に楽しませていただきました♪
食いつきがすご過ぎたかもしれませんね、鬱陶しくてすみませんでした…。
マイルとか旅とかの前に、何よりもインテリア好きなもので(笑)、まさかマイラーさんのツイートでミラノサローネの様子を覗けるなんて思いもしなくって!
それにしても羨ましいーーー。
moonbowさん
コメントありがとうございます。
反応していただけてすごく嬉しかったです。こちらこそ、タイムラインを汚してるかなと思ってました。
ミラノサローネは素敵な場所でした。マイラーさんにもインテリア好きな方がいると分かり、私も嬉しかったです。(*´꒳`*)
moonbowさんのSFC修行が無事に解脱しますように(*^_^*)