訪日外国人の増加傾向が続くこの数年間、僕は新宿を歩く度に様々な海外の反応を見ることができた。僕が新宿の街に魅力を感じたことはあまりないが、観光地としての新宿に対する海外の反応はとても好意的だ。
訪日外国人が喜ぶ観光スポットととしての新宿には、僕達が見落としていたり存在することすら知らない場所も多い。今日はそんな新宿に対する海外の反応を訪日外国人が集まる観光スポットを通じて紹介しよう。
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少し前までの「眠らない街・新宿」は決して観光スポットではなかったはずだ。日本人にとってはヤクザのイメージや歓楽街、テレビでは警察密着24時みたいな番組があると必ず怪しく映される街だったはずだ。
けれども震災の後に訪れた日本旅行ブームにおいて、新宿に対する海外の反応は違う。新宿は僕達が抱く「危険な街」から「日本独特の文化の街」へと進化していったようだ。
特に新宿の中でも一番混沌としている東口方面について、海外の旅行サイト「ウィキトラベル」にはこんな風に書かれている。
The east side of Shinjuku is devoted to shopping and nightlife, including Tokyo’s largest red-light district Kabukicho (歌舞伎町) and gay nightlife central Shinjuku ni-chōme (新宿2丁目).
新宿東口側は東京で1番大きい歓楽街の歌舞伎町とゲイのナイトライフの中心地の新宿2丁目を含むショッピングとナイトライフに特化している。
まるで僕にとってはバンコクやマカオを紹介するように説明されていた。これが新宿に対するリアルな海外の反応なのだ。
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目次
海外の反応:ゴールデンルートと呼ばれる東京観光
http://www.mlit.go.jp/common/001158956.pdf
国土交通省の観光庁が行なっている政策の中に「観光ビッグデータを活用した観光振興」というプロジェクトが存在する。これは2020年東京オリンピックに向けた施策と位置付けられている。ちなみに観光業界ではインバウンドの東京観光をゴールデンルートと呼ぶそうだ。
このプロジェクトにおける観光庁の目的とは海外の反応を訪日外国人を通して紐解くことで、ゴールデンルートと言われる東京以外の観光需要を喚起することなのだ。
その中で「GPSを利用した観光行動の調査分析」という項目が存在する。これは携帯の基地局のビッグデータを分析して訪日外国人が一体どこを観光しているのかを調べたデータということだろう。
上の画像を見てもらえれば解ると思うが、グラフの1番背の高い部分が東京になる。宿泊時間帯においては、統計を取った訪日外国人の約32%が東京に居たことを示している。(ちなみに東京・大阪で45%を占める)
観光庁はこのゴールデンルートに一極集中化している海外の反応を2020年まで分散するのが狙いなのだろうか。
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海外の反応:東京の宿泊客の3人に1人が新宿に宿泊
https://welove.expedia.co.jp/press/14735/
更に深堀すると東京に宿泊する訪日外国人の内、3人に1人は新宿に泊まるという事実が見えてくる。(Expedia調べ)
この2つのデータを組み合わせると訪日外国人の3割は東京に宿泊し、その内3割弱が泊まるホテルは新宿になるという事実に近い仮説を組む事ができる。このように新宿に対する海外の反応は非常に評価が高い。
以前書いた記事で2017年の1ヶ月あたりの訪日外国人数は200~250万程度だったので1ヶ月に10万人以上の訪日外国人観光客が新宿で寝泊りしていることになるのだ。
前回書いた訪日外国人観光客に関する記事は海外の反応、訪日外国人が日本で発見する魅力があるモノとは?を読んでもらいたい。
僕は新宿まで通勤圏内に住んでいるので解らなかったけど、ここ数年出張して来る仕事相手の人に新宿のホテルが高騰し過ぎていると言われることが多い。
上記のような新宿一極集中の海外の反応が僕達の生活にも影響を及ぼしているということだろう。観光庁に頑張ってほしい。
海外の反応:新宿で外国人が集まる観光スポット
日本人の僕にしてみると訪日外国人観光客は新宿に集まって何をしているのだろう?という疑問が浮かぶ。花園神社で酉の市のある年末なら解らなくもないのだが、毎月訪れる10万人もの外国人は新宿に何を求めているのだろうか?
そんな目線で街を歩いていると、いつもと違った新宿の姿が見えてきた。日本人にとっては当たり前で、いまさら興味を持たないスポットでも海外の反応は違ってくる。特に訪日外国人観光客は新鮮な体験だと感じるようだ。
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海外の反応:歌舞伎町一番街の看板で記念撮影
2013年に老朽化の為にリニューアルした「歌舞伎町一番街」の看板は記念撮影のメッカとなっている。日本のガイドブックに紹介されているからだと思うが、酷い時はバスを横付けした中国人旅行者が集団で記念撮影をしていた。
アーチ型の看板に対する海外の反応は興味深い。僕らが普段気にも留めずに素通りする看板は「眠らない街・新宿のシンボル」として世界で認められているのだ。僕はそんな海外の反応に気づくまで歌舞伎町一番街の看板をマジマジと見ることはなかった。
海外の反応:ドン・キホーテが熱い
歌舞伎町一番街から靖国通り沿いを歩くとすぐに、ドン・キホーテ新宿東口本店がある。行ったことがある人なら解ると思うが、ドン・キホーテの前は昼夜を問わず混沌としている。アジアから中国、韓国、タイそして欧米人が世界各国へのお土産を買いに集まっているのだ。
もしもドン・キホーテの前を通ることがあったらぜひ店内に入ってみてほしい。店内で聞こえてくる言語の半分は日本語ではないだろう。なぜこの店に対して、こんなにも海外の反応が顕著に見られるのだろうか?
それにはドン・キホーテの戦略が関係している。外国人に人気のある化粧品や雑貨を数多く揃えるだけでなく、多国語を話せる店員を揃えて免税専用のレジを用意している。更に決済に使える通貨は日本円だけでなく中国元、台湾元、韓国ウォン、タイバーツ、USドル、ユーロ…と多岐に渡るのだ。
海外の旅行サイトの新宿の記事を見ると必ずドン・キホーテは取り上げられている。個人的には「ドンドンドン、ドンキ~♪」のメロディのイメージが強いが、ドン・キホーテは企業として明確に「訪日外国人向けの戦略」を打ち出しているのだった。
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海外の反応:思い出横丁、英語で「Piss Alley」
新宿西口大ガードの側に思い出横丁と呼ばれるゾーンがある。コップ一杯の焼酎と焼き鳥で安く酔える、そんなサラリーマンの憩いの場だった思い出横丁も近年は様子が違う。訪日外国人の観光スポットとして人気を博しているのだ。
戦後間もない闇市の跡地に生まれたという思い出横丁は別名で「しょん〇ん横丁」とも呼ばれている。その別名の評判が良くて、英語では「Piss Alley」と呼ばれる立派な観光地になっている。
しょ〇べん横丁に行った訪日外国人観光客が見せた海外の反応は面白い。
“One of the areas I most wanted to see!”
「一番行きたかった場所だよ!」
“Hard to find, worth it”
「見つけるのが大変だったけどその価値はあった」
まるで絶滅危惧種のような扱いをされている思い出横丁だけど、海外の反応は古き良き日本の面影を体験できるところを評価しているように思える。
海外の反応:回転寿司屋の半分近くは外国人
思い出横丁の向かい側に昔から僕が通っている回転寿司屋がある。今みたいに回転寿司チェーンが乱立する前から、どのネタを頼んでも120円(現在150円)で営業していた。
絶品とは言えないがそこそこ美味しいので若い頃から重宝して来た。僕にとっては仕事の合間にほっとできるお店だった。
しかし、こないだ食べに行った時は店内の3分の1が外国人客だった。僕が座ってから満席になったので後から来た客は店内に立って並ぶことになった。
すると僕の後ろにアジア人の女性グループとオージーっぽい男性2人組が並んだ。そして外国人グループはそれぞれ僕がネタを注文する度に反応を見せるだ。
「What’s that?」(あれはいったい何?)
「Looks strange….」(変な見た目だわ)
「Oh…I don’t wanna eat like that.」(あれは食べられないよ・・)
僕はジロジロ見られていたのと、会話の内容が気になって食欲が減退してしまい店を出ることにした。若い時から外出時の憩いの場だった、新宿の回転寿司屋は海外の反応によって僕の居場所が無くなってしまったように感じた。
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海外の反応:日本人が行かない有名店「ロボットレストラン」
そして最後は知る人ぞ知る「ロボットレストラン」だ。初めに断っておくけど僕はこのお店に入ったことはない。でも店の前まで数回行ったことがある。
なぜかと言うと新宿で外国人に道を聞かれるとかなりの確率でこのロボットレストランを探しているからだ。
場所は新宿区役所から路地を少し入った辺り、日本人にも解りにくい所に店を構えている。海外の反応レベルにおいては、ロボットレストランより有名なスポットは新宿にはないくらい有名な場所だ。
多分日本人にとっての、タイのニューハーフショーやブロードウェイのミュージカルと同列な認知度と言っても良いくらいだ。海外のガイドブックには必ず掲載されている、新宿観光のラスボス的存在だ。
ロボットレストランに対する海外の反応は下記の通りだ。
“Every tourist should go to the Robot Restaurant in addition to the temples and shrines.”
「旅行者はお寺や神社に加えてロボットレストランに行くべきだろ」
“One of the most entertaining nights of my life.”
「私の人生の中でもっとも楽しかった夜のひとつ」
さらにはこんな発言もあった。
“Best show on earth!”
「地球上で一番素晴らしいショーだ!」
ご覧の通りかなりの高評価だ。僕は見たことはないけど外国人(特に欧米人)の感覚をターゲットにした場所なのだろう。次に誰かが来たら連れて行ってみようと思う。
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海外の反応:番外編「外国人をキャバクラに連れて行った」
ここからは海外の反応の番外編だ。台湾人とオーストラリア人の友人が仲良く新宿に遊びに来た時に突然「日本の女の子と遊んでみたい」と言い出した。多分、映画かゲームでそんなシーンがあったのだろう。
困った僕はキャバクラ好きのオカちゃんに電話して、彼の行きつけのキャバクラに外国人2人を連れていった。
キャバクラに英語を話せるお姉さんはいなかったが、僕の通訳のかいあって彼らは存分に新宿のキャバクラを楽しんだようだった。帰り道に彼らが僕に料金を尋ねてきた。支払いは全部僕がしたから少し気になったのだろう。
僕「60,000JPYだよ」
すると彼らは「女性とお酒を飲んだだけでそんなに高いのか…?」という反応を見せた。日本のキャバクラは世界的にみると高い。高級店でもないのに2時間程度で1人2万円は高いと思う。だから僕は日本ではキャバクラに行かないのだ。
その日の別れ際に彼らは少しかしこまってこう言った。
「今日はありがとう、バンコクで待ってるから夜遊びに来てくれ」
「台北の夜の街は楽しいぞ、とびきり上等な店に招待するよ」
彼らの男気溢れる海外の反応は嬉しかった。僕達はいつの日かまた会うことを約束して別れた。いつになるか分からないけど、僕達はまた会わなければならない理由が出来た気がして嬉しかった。
「日本の常識は世界の非常識」という言葉があるくらいなので、外国人が日本の意外なところに興味を持つのも分かる気がする。
僕が世界で経験した価値観の違いについては海外の反応・続編、外国人の友人から学んだ価値観の違いと教訓という記事を読んでもらいたい。
海外の反応:あとがき
今日も新宿には昼夜を問わず、様々な国から外国人がやって来ている。政治や経済、カルチャーについての海外の反応は様々だけど、観光にくる外国人の反応は概ね好意的だと感じる。
訪日外国人は時に僕達が気付かない日本の文化の良いところや優れた部分を教えてくれる。僕も海外に行った時はその国ならではの文化や街並みに感動を覚える。訪日外国人も同じようにしているだけなのだろう。
そんな海外の反応に僕はこれからも耳を傾けていきたい、そう思った。
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