ANA国際線ビジネスクラスの搭乗記。マイルでアップグレードの実体験を元に機内食やサービスの体験談を書いてみよう。2023年は新型ウイルスもひと段落、これから海外旅行に思いを馳せる方も多いと感じている。
ANAに限らず、JALやその他の航空会社でもビジネスクラスに搭乗すると、座席の広さだけでなく機内食や機内サービスの違いを感じてしまう。マイルを使ってのエコノミークラスからビジネスクラスへのアップグレードは本当に素晴らしいシステムだと実感できるのだ。けれどもその快適さ故にこんな事実も存在する。
「マイルでのアップグレードは時として修羅の国と化す」
これからアップグレードを試みる人のために、この記事の中で僕の意見を述べていこうと思う。
それからビジネスクラスと言えども、CAさんの笑顔や心遣いはエコノミークラスと変わらない。ただ、担当する乗客の人数の違いからか比較的にゆったりと接してもらえるので会話も弾む。
今回のフライトでは日本が世界に誇る航空会社、全日空のキャビンアテンダントさんとの会話の中で僕が今まで聞いたこともない情報を教えてもらうことができた。それは個人的には極めて重要な…
美味しい機内食のヒミツ…だった。
初めてANA国際線ビジネスクラスに乗った感想を体験記として、そして僕が驚いた真実や事実を綴っていこう。
飛行機に乗ることやクレジットカードの決済に頼らなくてもANAマイルは貯められる。年間20万マイルを貯めた方法を公開します。
目次
ANAビジネスクラス搭乗記、CAさんおすすめの機内食やサービス、座席のアップグレードや指定位置、ANAラウンジについて
あの日、僕の心は踊っていた。元来JAL派の僕にとって初めてのANA国際線ビジネスクラスに乗る時が来たからだ。
国際線ビジネスクラスの料金はエコノミークラスの3,4倍は高く設定されているため、僕にとっては高値の華で気軽に購入できる航空券の料金ではない。
それでも僕がANAのビジネスクラスに乗ることができたのは…
「ビジネスクラスにマイルでアップグレード」できたからだ。
まずはANAマイルでのアップグレードしたビジネスクラスの真実から見ていこう。
ANAビジネスクラス、マイルで座席アップグレードの真実
今回、僕にはANAマイルを使いビジネスクラスの座席にアップグレードすることができた。
ANA国際線のエコノミーからビジネスクラスへのアップグレードには、搭乗する路線の混雑状況や飛行機材の都合、チケットの制約や同じくアップグレードを狙うライバル達との競争などという、複雑な要素が絡み合う。
年に何度もビジネスクラスにアップグレードするチャンスに恵まれる人ならば、そんなに気にしなくてよいのだろうが、僕は絶好の機会を逃さないように慎重に事を進めることにした。
具体的に言うとこんな感じ。
・予約時にマイルアップグレード申請もしくは空席待ち
・機材を確認してビジネスクラスの有無を確認
・チケットクラスの確認と費用対効果
・ANAマイル残高の確認
特にアップグレード空席待ちは同じ志を持つライバル達とのし烈な争いになるので、通常料金のビジネスクラスの空席状況を調べて予想を立てる。そしてANAサービスデスクに電話で問い合わせると、合計で「何人が空席待ち」かを教えてもらえたりするのだ。
ただし、単純な合計人数だけでは分からないのがステータスホルダーの数。プラチナやダイヤ、SFC上級会員が多数いるとライバルに勝てる見込みがグッと下がることになる。
もしもあなたがビジネスクラスにマイルでアップグレードを考えているなら知っていて欲しい真実がある。それはマイルでのアップグレードは時として難しく、時として非常に簡単ということだ。
「空いてる便は天国、混んでる便は地獄」
マイルでのアップグレードに関して、どこかのサイトで「マイルがあればビジネスクラスに楽々アップグレード」という記述があったらこう認識してほしい。
「半分は真実、そして半分は嘘である」
ビジネスクラスへのアップグレードは奥が深く、マイルがあれば良いという話ではない。複雑に入り組んだ事情や条件をクリアした者だけが手にすることができる栄光の証と言えよう。
ANAビジネスクラスの空席待ちでアップグレードするためにマイルを貯める
空席待ちはANA国際線のビジネスクラスでアップグレードを勝ち取るための最後の手段と言える。
その為には常にANAマイルの残高に余裕があることが必要になる。上記の画像はANAビジネスクラスへのアップグレードに必要なマイル数の一覧表、区間基本マイレージ(距離)によって異なっているのがお分かりいただけるだろう。
世界中、どこに行く時でもアップグレードを可能な状況にしておきたければ25,000マイル以上のANAマイルを常に用意しておきたい。家族や大切な人と旅行に行くならば人数分が必要になるだろう。
そこでANAマイルは飛行機に乗らなくても貯めることができるのをご存知だろうか?僕は年間20万マイルほどを飛行機に乗らず、クレジットカードの決済に頼らず貯めている。
陸マイラ―と呼ばれる人達が利用するANAマイルの貯め方ついては下記のリンクをご覧いただきたい。
おすすめは?ANAビジネスクラスの良い座席指定位置についての真実
ANAビジネスクラスで一番のおすすめの座席指定の位置はどこだろうか?
これについては賛否両論が存在する。ビジネスクラス最高の座席は僕の旅行仲間でも頻繁に議論になるほど定義するが難しい。ただし、選択肢は以下のようにたったの2つの座席の位置に絞られる。
選択肢①:前方左側一番前の席(1A)
選択肢②:後方右側一番後ろの席(?H)
※?は機材によって異なる
ビジネスクラスの最前列の一番左側の席「1A 」はVIPが座る席と言われている。この座席は財界や政界の重鎮が来た時に利用されるため、通常はブロックされていてWEBからの座席指定をすることができない。
それでもVIP顧客が搭乗しない便の場合は、チェックインカウンターで「1Aは空いてますか?」と聞いてみると開放してくれるのだ。1Aの素晴らしさは何といってもCAさんの責任者が接客をしてくれるところだ。
ANAでは「チーフパーサー」と呼ばれるその便の責任者が熟練のサービスを展開してくれる。(JALの場合は先任客室乗務員)今回のANAビジネスクラスの搭乗では残念ながら華麗なる「1A」体験はできなかった。僕がJALで体験したお話はJALビジネスクラス搭乗記を読んでほしい。
記事を読んでもらえばお解りになると思うが、僕の「1A」体験はそれはそれは素晴らしいものだった。信じられないほどの細やかな心遣いは、真剣に自分のキャリアと向き合った経験がないとできるものではないだろう。
ただし1Aには注意事項があるので注意してほしい。それは便の責任者、つまり様々な経験を経て与えられる役職が故に…
「ANAもJALもCAさんに若い人があまりいない…」
という事実も存在する。
もしもあなたがビジネスクラスの座席で若い客室乗務員のサービスを受けたければ、後方右側一番後ろの席を選択することを強くお勧めする。「熟練のサービス」を選ぶのか?はたまた「若さ」を取るのか?全ては貴方の決断次第になるだろう。
CAさんの機内サービスが優しく感じられるという事実
ビジネスクラスの座席でもうひとつ気づいたのはCAさんのサービスが普段より優しく感じられるということだ。
これについて現役CAさんに質問したところ、僕の勘違いだということに気づかされた。機内サービスについては決してエコノミーやビジネスクラスで差別は存在しないということだった。
もちろん機内食のグレードの違いや座席の広さの違いなどは存在するが、CAさんの態度については全く差は付けていないようだ。では僕はなぜCAさんのサービスがより優しいと感じたのかと尋ねたら、こう回答が返ってきた。
CAさん「それは…担当するお客様の人数が違うので時間が充分にあるからだと思います」
なるほど!これで合点がいった。確かにエコノミークラスを担当するキャビンアテンダントさんはいつも忙しそうに仕事をしている。1人頭数十人は担当しているのではないだろうか?そう思いながらググってみると下記のような記述を見つけることができた。
【乗務人数】
各国の法令で機材の仕様(ドア数)や座席数、飛行時間により最低乗務人数が決められている(実際に搭乗している乗客数にかかわらず、固定されている)。通常は乗客約50名に対して客室乗務員が1名以上、それ以上の大きさの機材の場合はドア数に合わせた人数が乗務することが基本となっており、国際線ではそれを基本にして旅客数やサービス内容に応じてサービス要員として人数が増える。
Wikipediaより
さらにビジネスクラスとエコノミークラスで担当する乗客の人数に偏りができる。これではエコノミークラスのCAさんは乗客と談笑している暇などほとんどなくなり、飛行中はずっと忙しいのも頷けるというものだ。
僕がビジネスクラスのCAさんが優しいと感じたのは、機内販売で嫁さんへのお土産を買おうとした時だ。色々と悩んでいると相談に乗ってくれて、さらには感動するくらい適切にアドバイスをもらったことがある。その時の記事はANA国際線機内販売のお得な買い方という記事を読んでほしい。
僕の友人のCAさんはこんな風に言う。
CAさん「心を開いてくださるお客様とはお話しやすいですね」
とのことだ。キャビンアテンダントとお近づきになる為にはまずは自分から心を開いて接するように心掛けてみては如何だろうか?
ANAラウンジの不都合な真実「ANAとJALのラウンジカレー対決」
ANAラウンジは国際線ビジネスクラスに搭乗すれば利用することができる。
有償航空券、ビジネスクラスへのマイルでのアップグレード、特典航空券に関わらずANAラウンジに入室することが可能だ。ANAの上級会員になればエコノミークラスの利用でも利用することができる。
ずっとJAL派だった僕は、この時初めてANAラウンジを利用することになった。入室してみるとライトブラウンの内装を主体としたJALのサクララウンジとは対照的にダークブラウンを基調としたデザインのラウンジは快適そのものだった。
僕が一番驚いたのは設備ではない。それはANAラウンジのカレーが想像以上に美味しかったという真実だ。友人やツイッターのフォロワーさんは僕がJAL派だと知っているのでいつもこんな風に言ってくれる。
友人「カレーはJALが一番だよね!」
僕はその言葉を鵜呑みにして「ANAラウンジのカレーは美味しくない」と勝手に決めつけていた。そんな風に思いながら初めてANAカレーを食した時に衝撃が走った。
僕「う、美味いじゃないか…!?」
JALカレーよりも辛くて、明るい色どりのANAカレーは僕の想像をはるかに超えて美味しかった。これから食べるであろうビジネスクラスの機内食のことなど忘れて、僕は無我夢中でカレーを胃袋へと運んでいたのだ。
ANAのカレーが美味しいというのはきっと、僕の周りの人間から見たら「僕にとって不都合なANAラウンジの真実」だったに違いない。皆がJALファンの僕を気遣ってかけてくれた言葉がいつしかこうなってしまったのだろう。
限定2路線?ビジネスクラスの機内食サービスの秘密
最後にANA国際線ビジネスクラスの機内食の秘密について解説しよう。
僕がANA国際線ビジネスクラスに乗って日本に向かう帰国便のことだった。担当のCAさんが機内食サービスの注文を聞きに来て、僕が洋食を選ぼうとした時にこう言われたのだ。
CAさん「お客様、断然和食がおすすめでございますわよ」
満面の笑みで僕に和食を勧めるCAさんに理由を尋ねてみると衝撃の事実が判明した。
世界で60以上の路線数を誇るANAの国際線の中で、日本に戻る便で日本製の和食を出す便が2つだけ存在する。その2つとは瀋陽と杭州路線だそうだ。つまり…
「瀋陽・杭州路線だけが帰国便で日本製の和食を食べることができる」
もちろん対象はビジネスクラスの機内食のみとのことで、現地での委託がANAの求めるレベルに到達していないというのが理由らしかった。逆に言うと、他の国の路線はビジネスクラスと言えども食事は全て現地で料理していることになる。
上記がたった2路線しか存在しない、ANAビジネスクラス帰国便の和食メニュー(日本製)になる。
CAさんのおすすめ通りに和食を選択した僕は、帰国よりも一足早く「ふるさとの味」を堪能することができた。これはあとで気づいたのだがあの時、CAさんが僕に機内食の秘密を教えてくれたのは、見るからに飛行機好きな僕に対する最高の機内サービスだったのではないだろうか?
ANA国際線ビジネスクラスの評価・評判や人気の秘密
ANA国際線ビジネスクラスの評価や評判については色々な声を聞くことがある。
「ファーストクラスなのに誕生日を祝われなかった」とか「台風で振替の時のホテルの選択が悪い」などと、お門違いとも思える評判も聞こえてくるが、そんなネガティブな評価は無視していいので、一度だけ乗ってみては如何だろうか?
これだけ素晴らしいサービスや美味しい機内食やANAカレーを経験しないのはもったいない。僕のように飛行機が好きでなくとも、一回搭乗すればANAのビジネスクラスの素晴らしさを分かってもらえると思う。
なぜ多くの人がANAを選択するのか?なぜ大学生の就職希望人気ランキングの3位以内に位置するのか?
そして…
「なぜ、高い料金を払ってまでANAのビジネスクラスに乗る人が存在するのか?」
僕は陸マイラ―として、ANA国際線ビジネスクラスをマイルのアップグレードで利用してこれらの疑問の答えを垣間見ることができたと思う。
費用をかけずにANAマイルを貯める方法
今回はANAマイルを使ってビジネスクラスへのアップグレードに成功した。
読者の皆様はANAマイレージカードを持っている方も多いと思うが、実はANAマイルには飛行機に乗らなくても大量のマイルを貯める方法があるのをご存知だろうか?
興味のある方はANAマイルを無料で大量に貯める方法という記事をご覧いただきたい。
はじめまして。
判読させていただきました。勉強させていただいております。
恐れ入ります。
ビジネスクラスの座席。
『選択肢②:後方右側一番後ろの席(?H)』について特に言及がないまま文章が終わってしまっているようなのですが、
『選択肢②:後方右側一番後ろの席(?H)』は、どのように良い座席(or 悪い座席)なのでしょうか?
コルベットさん
コメントありがとうございます。
ビジネスクラスの後方右側一番後ろは、若いCAさんが担当に着くことが多いです。
1AにVIPリストの中でも一番格上の搭乗客が座るので、前方はどうしてもベテランCAさんが付くことが多いです。
その為、右後ろの席はまだビジネスクラスのサービス経験が浅いCAさん(つまり若手)に遭遇する機会が多いと言われています。