海外旅行で避けたい空港のトラブル体験にはどんな種類があるだろうか?乗るはずの飛行機の遅延や欠航、荷物が届かない…様々なトラブルへの最善の対処法はあるのだろうか。
僕が空港でのトラブル体験で感じたのはトラブルへの対処法は一律ではないということだ。例えば預け荷物の超過料金を請求されなかった時もあるし、1㎏超過で超過料金を請求されたこともある。
もしかしたら空港でのトラブルに対する対処は「担当者のさじ加減」によって変わるものなのかもしれない。旅行者の取るべき行動はどうあるべきなのだろうか?
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出発地でも到着地でも空港でのトラブルは避けたいもの。運悪くトラブルに遭ってしまった時には何とか有利な条件で交渉したいものだ。僕の空港でのトラブル経験は荷物の遅延、フライトの遅延、預け荷物の重量超過などがある。
いずれにしても空港でのトラブルを上手く切り抜けられた時もあるし、ダメな時もあった。僕がひとつだけ決めているのは、どんなトラブルを体験の時も笑顔で交渉するようにしている。なぜかというとグリム寓話の「北風と太陽」を基本としているからだ。
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目次
グリム寓話「北風と太陽」に学ぶ、空港トラブル対処法
今回参考にするのはグリム寓話「北風と太陽」だ。「童話」と「寓話」がどう違うのか知らなかったので調べてみると、擬人化された動物や自然現象を主人公として教訓などを伝える物語を寓話と呼ぶようだ。
「北風と太陽」(きたかぜとたいよう)は、イソップ寓話のひとつ。そこから転じて、物事に対して厳罰で臨む態度と、寛容的に対応する態度の対比を表す言葉として用いられる。
グリム寓話「北風と太陽」は空港でトラブルを経験した時の2種類の対処法を鮮明に描いているように感じる。但し結果はいつも寓話の通りに…とは行かないようだ。
なぜならば僕は過去に経験した空港トラブルでは、北風も太陽も勝ち負けを繰り返していたように思えるからだ。
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空港トラブルの対処法:北風作戦と太陽作戦
それではグリム寓話に基づいて、空港でトラブルに遭った際の対処法を大きく2つに別けて定義してみよう。
【北風作戦】
ひとつは北風作戦、顧客としての立場や知識を巧みに使って相手にプレッシャーを与える交渉術。時には恫喝の一歩手前のような態度も見せつつ、これ以上面倒になる前に片づけてしまおうと思わせる作戦だ。
少し強引な交渉術ではあるが、短時間で結果を出したい時に向いている方法と言えるだろう。空港で働く人々の組織人としてトラブルを避けたいという願望を上手く付く対処法だ。グリム寓話ではこのように語られている。
北風が力いっぱい吹いて上着を吹き飛ばそうとする。しかし寒さを嫌った旅人が上着をしっかり押さえてしまい、北風は旅人の服を脱がせることができなかった。
物語では上手くいかなかった北風作戦だが、現実の社会においてはよく見る光景だ。実際に空港で働く人やCAさんが色んな意味で嫌がるトラブルの対処法だろう。
【太陽作戦】
太陽作戦は北風とは対象的な交渉術だ。強引に攻めるのではなく、自ずとそう行動したくなるように外堀を埋めていく。外的圧力ではなく内的欲求を引き出すのが太陽作戦という交渉術の肝になる。こちらはグリム寓話ではこのように表現されている。
次に、太陽が燦燦と照りつけた。すると旅人は暑さに耐え切れず、今度は自分から上着を脱いでしまった。
上着を脱がす為には強引に剥ぎ取るのではなく、脱がざるを得ない理由を作ればいい。太陽作戦はしたたかな空港トラブルへの対処法だと言えよう。
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空港トラブルの対処法「北風作戦」
僕が見た北風作戦の成功例は海外だった。到着した空港で預け荷物が届かないというトラブルが発生した。サーフトリップでインドネシアのスンバワ島という小さな島からプロペラ機でバリ島に帰って来た時のことだ。
メルパティ航空というインドネシアの国営航空会社の飛行機だったが、預け荷物を全て出発地に置いて来たという。メルパティの職員に聞くと荷物は明日の便で届くと言われた。スンバワ‐バリ間は一日一便の運行なのでそれしか対処法が無いのだろう。
僕が宿泊先のホテルを聞かれている時にオージーらしきおじさんの怒鳴り声が聞こえて来た。
「You really piss me off !!」
これを直訳すると「あなたはお〇っこをかけている!」になるが、多分「ふざけるな!」くらいの意味合いだと思う。どうやらおじさんは赤ん坊を連れていて、預け荷物の中にオムツや諸々全て入れていたようだ。
しばらく横で聞いていたら何やら金額の話になっていたので、どうやらおじさんの「北風作戦」は成功したようだった。ちなみに僕には特に何の保証もなかったと思う。
空港トラブルの対処法「太陽作戦」
以前、テレビのトーク番組を見ていた時に、空港トラブルの太陽作戦の体験談を見た。それはゲストの女性音楽家が海外へコンサートに出掛ける際にフライトが欠航するというトラブルに遭ったという話だった。
欠航というトラブルで空港カウンターは半ばパニック状態、そこで旅慣れた女性ゲストは職員に「大変ですね、疲れたでしょう」と優しく話しかけると言う。
そしてしばらく雑談した後に「私はコンサートの為に〇〇まで行く必要があるの、何か良いアイデアはない?」といった感じで優しく問いかけると、大概は代替案を真剣に探してくれると言うのだ。
彼女は周囲がクレームの嵐という中で、あえて意図的に逆張り戦術を取っていた。これぞまさに大人の空港トラブル対処法「太陽作戦」だと僕は思った。
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僕が実践した「太陽作戦」
空港トラブルとは少し話が逸れるが、僕は「太陽作戦」は空港で荷物を預ける時によく使っていた。僕はサーフボードを何枚か持ってLCCで旅をしていた事がある。
LCCの預け荷物は大概有料で事前に〇〇㎏分を購入すると割安で購入できる。しかし、LCCのチケットが3万円くらいなのに5,000~10,000円超の超過料金を予め購入する決断は、僕にはなかなか出来なかった。
だからいつも少しだけ預け荷物を購入して必死に重量を減らすのだけどパンパンになったサーフボードケースは酷い時には50㎏以上になってしまう。
荷物の超過料金を避ける確率を少しでも上げようと、僕はチェックインする時にいつも笑顔で話しかけるようにしていた。例えばこんな風にだ。
「ハロー!調子はどうだい、今日は忙しいかい?」
とか
「初めて来たけどここは良い空港だね!」
こんな風に話しかけながら荷物が少しでも軽く見せる為に、測りに乗せたサーフボードケースの下に片足を潜りこませるのだ。
ボウリングの送り足みたいにとか、イヤミが「シェー!」した時の曲げた方の足を潜りこませる…と言えば伝わるだろうか?
こんな風にノリと笑顔とセコさで超過料金を避けようとする僕の勝率は大体5分5分だったと思う。
相手が話に乗ってくれば良いが、時には冷たくあしらわれる事も多かった。当時まだ若くて貧乏だった僕には預け荷物の超過料金は切実な問題だったのだ。
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僕が実践した「北風作戦」
まだ若い頃にエアアジアに搭乗した時の事だ。機内サービスで食べ物を注文しようとしたらほとんど売切れで、スナックしか残っていなかった。
あまりにショックだったので妙齢のCAさんに向かって不機嫌に「ありえない、餓死しそうだよ!」と文句を言ってみた。すると妙齢のCAさんは一度姿を消した後、ホットドッグを持って現れた。僕が「なんだあるじゃないか」という顔をすると、CAさんはこう言った。
「まったくもー、これはアタシの分だからね!」
何だか恩着せがましく、可愛らしく言われたのが面白くて印象に残っている。どちらかと言えば太陽作戦に近い北風作戦だけど、時にはトラブルの対処法として必要なのかもしれない。
空港トラブルの対処に必要なのは交渉力と情報力
ネットで空港トラブルに関する記事を読んでいると、様々な対処法が見つかる。僕が知っている範囲では、皆さん冷静に淡々と交渉をしている。
そして空港でのトラブル対処法に重要なのは情報力、現場のスタッフでも気づいていないルールや情報を駆使して交渉に臨んでいる姿はまさに圧巻だ。僕も少しずつ、知識や経験を基にしてトラブルに備えようと思う。
余談だが先日、飛行機に乗り遅れそうになった時に最善を尽くした内容を記事にしている。その時の事は海外で飛行機に乗り遅れそうな時の教訓を読んでほしい。
www.hanayao.xyz
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「北風と太陽」の別のあらすじ
グリム寓話の北風と太陽には別のあらすじが存在する。その内容はこんな風になっていた。
北風と太陽がした勝負は最初は旅人の帽子をとることだった。最初、太陽は燦燦と旅人を照り付けると、旅人はあまりにもの日差しで帽子をしっかりかぶり、決して脱がなかった。次に北風が力いっぱい吹くと、みごと簡単に帽子は吹き飛んでしまった。
北風と太陽が行なった「上着を脱がす勝負」と「帽子を脱がす勝負」。この2つから得られる教訓は何事にも適切な手段が必要だという事だろう。常に一方の対処法で空港のトラブルに相対しても必ず成功するとは限らない。
グリム寓話はこのようにして僕らに交渉術の教訓を指し示してくれているのだ。「ヘタな人生論よりイソップ物語」なんて本も出ているくらいなので、昔の人はすごいな…と僕は感心するばかりだ。
あとがき
空港や飛行機で働く人々も同じ人間。大きなトラブルが発生した時には忙しくもなるし、余裕もなくなる。そんな時は太陽作戦が有効に思える。逆に個別のトラブルに関しては北風作戦を実行してみるのも良いだろう。
飛行機に乗って移動する際に空港でのトラブルに遭遇する可能性は非常に高い。LCCを選択すれば更に確立は高くなるだろう。いずれにしても起きたトラブルに対して適切な対処法を選択できるようになりたいと思うのだった。
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