先日行われたWBA世界ミドル級王座決定戦での疑惑の判定、村田諒太選手の判定負けに対してやっとJBCがWBAに文書で抗議を行ったと報道された。抗議文は再戦を直接求めた訳ではなく採点の検証を求めた内容とのことで、現時点で全文は公開されていない。果たして不可解な判定に泣いたと言われる村田諒太選手の再戦はあり得るのだろうか?
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追記:2017年10月22日に再戦が行われ村田選手が世界チャンピオンとなった。下記の記事で解説している。
このブログでは試合終了後から疑惑の判定よりも、対戦相手のエンダム陣営が判定なら敗戦濃厚な状況にもかかわらず、落ち着き払ってアウトボクシングを展開していたことを疑問視していた。しかし、試合後の報道を見ていると問題提起したニュースサイトはひとつもなかったのが現状だ。
僕が試合終了後に書いた記事は村田諒太選手の試合結果は判定負けを読んでほしい。
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プロボクサー達のコメントがカッコいい件
事なかれ主義のマスコミに比べて、最前線にいるプロボクサーはカッコよかった。以前の記事にも書いたが現役の世界チャンピオンの山中慎介選手は「判定が理解できない」と公共の電波で精一杯の不快感を露わにした。選手という立場でリアルタイムで判定に疑問を投げかけるのは勇気がいることだろう。
長谷川穂積選手も的確に状況を捉えてとコメントしている。個人的に胸に刺さったので全文を引用させてもらおう。
【長谷川穂積の拳心論】
勝負に勝ち、試合にも勝ったと思う。ただ、WBAの“特別採点ルール”に負けた。それが村田君の試合の印象だ。僕はテレビ観戦だったが、前に出る選手より、下がりながらでも手を出している方にポイントがついていた。
これは、先月ベルトを獲った後輩の久保隼(WBA世界スーパーバンタム級王者)の世界戦も同じだった。11回TKO勝ちした久保だが、10回までの採点が1-2で負けていたのを後で見て驚いた。 極端に言えば、距離をとりながらシャドーをしていても勝つことがあるということだ。これは他3団体とは違う。僕自身も選手だったらどう戦えばいいかわからない。これがWBAだと考えるしかない。
ベルトがあるかないかの違いはあるが、村田君は負けが1つついただけで評価は何一つ落ちない。最大の武器、ブロッキングに加えて、何度も出した右ストレートの破壊力はすごかった。これは持って生まれたものではなく、血のにじむような努力を積み重ねて手に入れたものだ。
僕が練習を見た日も、右ストレートだけで何千発も打っていた。この世界戦へ向けては、何十万発も打ったことだろう。それほどこの右にかけていた。
世界再挑戦のチャンスは必ずくる。その時は、この試合と同じコンディションで戦ってほしいと思う。
【長谷川穂積の拳心論】勝負に勝ったがWBAの“特別採点”に負けた村田/ファイト/デイリースポーツ online
実は試合の翌日「村田のボクシングは世界のジャッジに通用しなかった」というブログを幾つか読んだ。僕はブログはみんな書きたいことを書けばいいと思っているけどその記事を読んで少し切ない気持ちになった。試合終了後の村田とエンダムの表情の違い、どちらが勝ったのかは戦った本人達が一番理解しているだろう。
協会の動きが安定の遅さだった
そして遅れること4日、やっと日本ボクシングコミッション(JBC)がWBAに抗議文書を送ったという報道がされた。確か試合の翌日にはWBAの会長が再戦させるとかコメントしていたのに、JBCは何をやっていただろうか?きっと皆で部屋に籠って、自分達に影響がなくて世間が納得する方法を考えていたのだろう。
抗議文は再戦を求めた訳ではなく、採点の検証を求めたという事で聞かされた方は脱力感でいっぱいである。疑惑の判定の瞬間に村田選手に何もしてあげられなかったんだから、せめて抗議文ぐらい強気に送ろうよ、JBCの人達。
村田諒太の疑惑判定負けでJBCがWBA会長に抗議/ファイト/デイリースポーツ online
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動画で検証する試合終了時のエンダム陣営
村田諒太 対 アッサン・エンダム WBAミドル級王座決定戦
上記の動画を試合を見てない人にはぜひ見て欲しい。そしてその際、注意して見て欲しい部分がある。
ひとつは中盤までと10回以降のエンダム選手の動きの違いだ。それまでスウェーやタイミングを外したフットワークからの攻撃でなんとか村田選手の鉄壁のガードを崩そうとしていたが、10回以降のエンダム選手は完全にアウトボクシング徹している。
僕は最初これを見てエンダム選手の心が折れかけているんだと思った。でもそうじゃないと気づいたのは12回(最終回)だ。判定で負けると思えば最終回くらいKOを目的に攻撃してくるはずなのにエンダム選手は相変わらずのアウトボクシングに徹した。
つまりエンダム陣営は10回以降は倒されなければ勝利すると確信していたのだ。(もう少し前からかもしれない)
僕をそう思わせるのが動画の43分45秒付近、試合終了直後のエンダム選手とエンダム陣営の老人トレーナーの態度だ。
この画像はゴング終了直後の両選手だ。村田諒太選手は相手の目を見ながら笑顔でタッチを求めるが、エンダム選手は目をそらしてそれに応じる。スローモーションで再生するとよく解る。つまりエンダム選手は自分が負けたと思っている。
こちらはエンダム陣営の老人トレーナー。彼はエンダム選手とは対象的に満面の笑みで村田選手の肩を強く叩いてねぎらった。この行為は僕の目には村田に敬意を評したようには見えなかった。なぜか彼だけは何故かエンダム選手の勝利を確信していたように見えた。
この老人は試合結果を知っていたのだ。エンダム選手が判定勝ちすると。
他のエンダム陣営の人間の表情は硬かった。老人だけが満面の笑みでエンダムを出迎えたのだ。それは知識や経験の差なのだろうか?それとも…?
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あとがき
今回も言いたいことだけ書かせてもらった。過去の歴史からみてもおそらく、判定は覆らないだろう。試合後の村田選手の「そう簡単にもう一度やりたいとは言えない」という言葉は全てをこの試合に賭けて来た人生を感じた。今回の判定結果が無効になったり、再戦というのは可能性が低いとは思うけど今後の動向を見守りたい。
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